2013年 06月 01日
ウナギをめぐる騒動奮戦記
ウナギをめぐる最近の状況と対策について
お題目のニュースリリースが5月30日に水産庁から発表がありました。
リリースはこちらをクリック!
内容を一部抜粋すると…
近年、東アジア全体でウナギの稚魚(シラスウナギ)の漁獲が低迷しており、
シラスウナギ、親ウナギとも価格が上昇し、これを受けて、ウナギ食品の
値上げも相次いだこと。
業界の調べによれば、今漁期のシラスウナギの池入れ量は約12トン(平成25年4月30日現在)で、
前年の75%にとどまっていること。
ニホンウナギ及び同種を使用したウナギ加工品に「ニホンウナギ」と表示することの推奨
これを受けて「ニホンウナギ」明記を、水産庁方針 外来種と区別というニュースも…
ニュースの内容はこちらをクリック!
水産庁は30日、ニホンウナギを原料に使ったかば焼き製品に「ニホンウナギ」と明記するよう求める方針を示した。
減少しているニホンウナギの相場上昇を受け、国内でも外来種の養殖が進んでいる。
しかし、現行の表示法では外来種を国内で育てれば「国産ウナギ」となる。品種の表示を促し、消費者の混乱を避ける狙いだ。
こんなニュースが流れる前のここ2週間、実は我が家でも“うなぎ”に関するちょっとした事件がありました。
あるインターネット通販でそこから初めて“国産うなぎ”をお取り寄せしました。
価格もまあまあ妥当で、しかも肉厚で、ふっくらしていて申し分なし!そこまでは良かったのですが…(苦笑)
これは今年の土用の丑の日のうなぎとして確保しようと…早速メールでお問合せ!
価格が急に、しかも大幅に騰がった内容の返信メール!
まあ、土用の丑の日に価格高騰は仕方がないにしても、その理由を再度問い合わせてみると…
今度はあわてた声で、そこの社長が従業員が“国産うなぎ”を“中国産うなぎ”と間違って…云々。
その言葉に“カチン!”と…従業員に罪をなすりつけるとは…(怒)
間違いは誰にもあるものです!それを最初に“従業員”を矢面に立たせる行為に苛立ちを感じたのです。
味云々とかではなく、国産という表示を信じたら、実は中国産だったということ、こちらが気づかなければ
過失とはいえ、知らないまま騙されていたこと、それを従業員に罪をなすりつけたことに許せなかったのです。
販売サイトの内容の保存を行いました!イザ!という時の証拠隠滅を防ぐためです。
“中国産うなぎ”の通関書類や養鰻履歴を求めて、内容を精査しました。
添加物の有無やウナギの品種の確認、安全性の確認と流通経路の把握です。
そこの社長に、今回違反事案となる当該法令と過去同様の産地偽装があった場合に
どのような責任と処分が下るかを示しました。
社長自ら事案の検証と反省文と再発防止の念書を取りました。
その一連のあと、本来受け取るべき“国産うなぎ”を弁済させました。
最後には、その水産会社の社長ご本人から“今回は勉強になりました”と…
余談になりますが、“中国産うなぎ”の方が美味しかったのは皮肉な結果ですが…
JAS法違反で農水省に、特定商取引法違反で消費者庁に、不正競争防止法で公取に…
悪質なら、さすがにそこまでやりますが、今回は“あくまで過失だった”という主張を
信じることにしました。
“罪を憎みて人を憎まず”今回の一連の措置で真面目に対応していただけることを
期待する方が気分がスッキリします。
法で縛る、罰則で取り締まるのも一つの方法ですが、意識を高めていただく方がもっと大事。
往々にして大きな問題になり、行政処分でお縄にされると、それまでの築きあげてこられた
事業の寿命を一気に崩すことになり、そこに関係する全ての関係者の生活基盤まで
一気に崩れてしまうことにもなりかねません。
過失とはいえ、確かに罪は罪ですが、今後過失も含め、真面目な姿勢に戻っていただくこと。
そして、真面目に商売をすることが自分にもお客様にも価値があること。
そして健康被害にもつながらなかったことで、最終的に今後の姿勢を信じることにしました。
ここから、今回学んだことからこのブログをご覧の皆さんに最もお伝え申し上げたいことがあります。
故意、過失を問わず、産地偽装や不正を防ぐためには我々生活者がしっかり問題意識を持つことです。
これって、何かおかしいなあ?と日々何気なくやり過ごしていることに疑問を持つこと。
疑問を持ったら、インターネットで調べたり、通販サイトならお問合せで疑問について丁寧に質問することです。
質問して、万が一ぞんざいな回答が返ってきたら、そことはお付き合いしないことです。
うわべだけのサイトの見せ方や商品が一見よさそうでも、実は回答の内容や姿勢で中身を見抜けることもあります。
最初のお題目に戻りますが、ここまでうなぎの稚魚が不漁で価格高騰、にもかかわらず土用の丑にはどうしても
うなぎを食べなければという習慣、そこに商機を見つけようとする動き…
そこに水産庁が産地だけでなく、日本で養殖しても『ニホンウナギ』の表示明確化という動き…
今年は例年以上に、うなぎの産地偽装問題が沸騰すると予感しています。
このままではうなぎに関係する業界は死活問題になりかねません。
何とか不正もなく、偽装による加害者も被害者も出ず、おだやかに土用の丑を乗り切ることはできないかなあ…
今年の土用の丑は“うなぎ”を追っかけないで、他の食材でスタミナをつけようかなあ…
そんなことを感じたウナギをめぐる騒動奮戦記の2週間でした(ペコリ)