2014年 08月 30日
樋渡さんの新刊本『反省しない』を読んでみました!
『反省しない』という書籍のタイトルってまさに衝撃的!
タイトルだけで判断したら、それこそ独裁者の発禁本かなと思ってしまう(笑)
ネット上での暴走特急だの、独裁者だのという断片的な情報に、
それこそ、『反省しない』という言葉が暴走してしまったら、これまた格好の餌食…
ところが実際に読んでみたら、『反省しない』とはむしろ前向きな意味がよく分かる。
過去は振り返らない、明るく、楽しくやる!
最初からあれこれ人の話を聞きすぎると、そこに縛られてしまう。
縛られてしまうと、なかなか行動を起こせない。
とにかくやってみる!問題にぶち当たったら解決に向けて、相談する。
結構、人の意見にも耳を傾けている様子も本を読んでみると伝わってくる。
最初から完成力ではなく、修正力…とにかくいいと思ったら、即実行、そして修正を重ねていく。
とかく成功したことばかりが目立つが、その分、多くの失敗の積み重ねがある。
1勝9敗、2勝8敗でも成功すれば失敗に学ぶ価値も出てくる。
よく取り上げられるアイスクリームの商品開発の失敗例に関与している当事者としては
複雑な心境もあるが、これも成功の裏にある名誉の負傷と思っている。
きっちり失敗したことを修正に生かしているのに、『反省しない』というタイトルだけを
見てしまうと、どうしても言葉がひとり歩きしてしまっては元も子もないのになあ…(笑)
知っている内容も多かったが、今回の本の内容で一番良かったことは…
本の中に登場する山田課長や小松さんや浦郷さんの話。
市長の言うことを丸のまま100%聞かず、『翻訳』と称する
どうすれば、市長の目指すところと自分の考えや行動を
どう擦り合わせをするかという、うまい処世術(苦笑)
山田さんや小松さんは中央のエリート官僚等の輝かしい経歴をお持ちなのに、
武雄市役所には一兵卒、いわゆる雑巾がけからのスタートも厭わない凄さ!
どんどんほとばしり出る樋渡さんのアイデア、とにかくやってみて、
必要とあらばどんどん軌道修正して、最後にはゴールにたどり着けばよい!
こんなリーダーのもとでは面白い仕事ができる反面、全てまもともに
受け止めていたら、身が持たないのに、皆さんどう対応されているのか
とても気になっていたことがスッキリ!そうなんだ!
リーダーの市長がすべて引っ張っているのかと思いきや、部下の皆さんも
命令をうまく翻訳して、おまけにしっかり市長に『腹を括らせる』覚悟まで
持っていっているように思える。
こういう関係がうまく機能しているチームは強い!面白い!
沸騰!図書館にも言えることかもしれないが、とかく樋渡さん個人が
目立つけれど、本当はしたたかなチーム武雄のメンバーのことを
書きたかったのかなあ!そんな読後感を感じた1冊であった(ペコリ)