桜の香りの正体とは!

サクラの季節ですね!世の中がサクラ色というかうすいピンク色一色。

昨日はいい天気で、JR高槻駅北口で摂津峡、塚脇方面への
花見でバス乗り場をたずねる人もいつもより多かったような…

やはりお花見やサクラといえば…

ジャーン!お花見団子にさくら餅ですよね!

今回の画像ではピンクの定番のさくら餅と白いさくら餅を並べてみました。
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さくら餅を包んでいる、桜の葉っぱ、何とも言えない甘い香り…
 
この桜の葉っぱ、大島ザクラの葉っぱを塩漬けにしたもの!
 
ところが、桜の葉っぱも塩漬けにしないとこの香りはしないのです。
 
この香りの正体はクマリンという、何ともかわいい名前の成分。 
 
植物の状態ではこのクマリンは配糖体という形でグルコースなどの糖類とくっついている状態。
 
細胞の液胞に入っているクマリンの配糖体が塩漬けにすることで
外に出て、酵素によって加水分解され、糖がとれて、クマリン単体に
なると香りを出すようになる…ざっと説明すればこんなメカニズム!

このクマリン、桜の葉っぱの塩漬けやさくら茶程度なら微量の香り成分ですが、
これを抽出して、天然由来の香料として精製したものを食品に添加することは
食品衛生法で禁止されているのです。
 
それはクマリンに肝毒性があるから…
 
だからさくら餅も葉っぱごと食される方もいらっしゃるが、
何事も過ぎたるは及ばざるごとし、大量に召し上がられる際には
ちょっと注意した方がいいかもしれません…
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ところで、このクマリン、意外なところで重要な役割を果たしています。

実はクマリン、いわばGメンなのです。
 
平成3年3月から軽油取引税の脱税防止のために、石油元売りの
出荷段階で灯油及びA重油に1ppmの濃度で添加されています。
 
クマリンは性質上、紫外線を当てると蛍光反応を起こすのです。 
 
軽油に灯油や重油を混ぜて、脱税防止を図ろうとすると
紫外線を照射すれば、一発で見破ることができる仕組みになっているのです。

悪い人間は考えるもので、濃硫酸や苛性ソーダで脱色やクマリン除去で対抗してきます。
 
その時に発生するのが、最近問題になっている硫酸ピッチの不法投棄問題。 

いやはや、悪どい金儲けをする人間はどこまでも悪知恵を働かせるものすね(困)
 
さくら餅の葉っぱの香り成分から軽油の脱税防止まで、ちょっとしたきっかけと
好奇心があれば、こんな面白い?役に立つ?お話になります。

こんな風に身近な話題からサイエンスの不思議を考え、説明できる
授業をすれば、いわゆる理科離れなんていう現象は改善されるのかも…(ペコリ)

参考資料
三津和化学薬品株式会社
日本の四季を化学する-第11回 桜の化学-

 
クマリンにご興味をお持ちの方は上をクリックして資料をご覧下さい。
by mitsuketai | 2010-04-05 07:56 | サイエンス