2010年 12月 25日
逆転経済の功罪!
消費者にとって魅力的というか、媚薬というか…
このからくりを示すキーワードが“逆転経済”。
従来の常識から言えば、お客から支払ってもらったお金以上に儲けることはできない。
ならば、1円家電、0円のPhoneは販売店がその損害を被るはずだが、
販売店はその損害を被っていないのが現実。
その方法が一時金、販売奨励金、協賛金等何かと理由をつけて、
仕入先からその差額、いやそれ以上にもらうことである。
この経済構造を称して“逆転経済”という。
1円家電のカラクリ0円・iPhoneの正体―デフレ社会究極のサバイバル学
この本にもそのあたりが書かれているので、ご興味があればご一読を勧める。
“逆転経済”という経済構造、国の予算における埋蔵金に似ていると感じている。
そもそも経済活動は生産なり、商業活動なりの過程で、仕入経費や人件費、
生産設備等の経費に付加価値をつけて行うものである。
これが経済活動の王道というか、当たり前のことである。
当たり前のこと、そうでないことの違いは長続きするかどうかにつながる。
販売なくして生産なし、生産なくして販売なし、生産と販売は経済の両輪である。
確かにどちらかがこけると大変であり、共存共栄であることは大切である。
そんな状況でモノを供給するメーカーには販売してもらうために、この手の協賛金を求められることが多い。
その際、メーカーの原価計算=原料費+資材費+工賃+配送費と考えられる
バイヤーや担当者の方も時々いらっしゃる。
ここから利益を削っていかれると、メーカーは立ち行かなくなる。
なぜならば、ここには設備の投資や維持費、研究開発費が含まれるからである。
この部分がなくなることは、メーカー自体が衰弱していくことに他ならない。
新しい魅力ある商品も産み出せないし、供給力にも影響を及ぼしかねない。
ということは“逆転経済”という経済行動は、経済活動全体を縮み志向に
ベクトルを向きさせかねないので、決して手放しでは喜べないはず。
今一度考えなければならない、GDPは付加価値の総体であることを…
まやかし、見せかけのからくりで、全体のかさ上げのない利益構造は自らの首を絞めかねない。
だからこそ、メーカーも販売業者も自らの活動がもたらす付加価値を追い求めなければならないのでは…(ペコリ)