奇跡の教室 明日の人材を創る授業

一気にむさぼるように読みきった本が、奇跡の教室
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文庫本『銀の匙』だけを3年間かけて読むという空前絶後の授業で
有名な進学校 灘高の名物先生、橋本武先生と生徒の足跡を
追いかけた本です。

主人公である明治の虚弱な少年の成長物語を、
横道にそれながら丁寧に追体験していくスタイルは
究極のスロウ・リーディング。
 
駄菓子の話になると、実際に駄菓子を買ってきて、生徒の前に広げる。

干支の話になると、甲子園誕生のいわれから脱線していく。

凧揚げの話になると、美術の先生も巻き込んで、凧づくりから
凧揚げ大会へと発展していく。

いずれも生徒の興味を引き出して、生徒に考えさせ、
生徒に実行させ、個性を磨き、自ら考え、行動する力を
知らず知らずのうちに身につけさせていく。

生徒の能力も、それに応える先生の力量もなければ到底できない。
 
一学年200人の中高一貫。6年間を繰り上がりで一教科一教師担当制の灘校で、
幸運にも橋本先生の『銀の匙』授業を受けられたのは30年間でわずか千人。
 
その結果が2巡めの昭和37年卒業組が「初の京大合格者日本一」、
3巡め43年卒業組は、「私立初の東大合格者日本一」へとつながるのは
橋本先生にしてみれば、ひとつの結果にすぎない。
 
教え子には東大総長から最高裁事務総長・弁護士会事務総長など、
各界にきら星の如く排出させている。
 
どのポジションの方も決まった答えのない問題に答えを出して
決断を迫られることばかり。 
 
橋本流の『銀の匙』スロウ・リーディングの体験が生きてくる。

この本で一番感動したくだりがある。

(中略)…スピードが大事なんじゃない

(中略)…すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる

(中略)…みんなが少しでもひっかかったところ、関心を持ったところから
      自分で横道にそれていってほしいと思っています。
      どんどん調べて行って自分の世界を深めてほしい。
      その時間をとって進めているつもりです。

(中略)…すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなります。

(中略)…なんでもいい、少しでも興味をもったことから気持ちを起こしていって、
      どんどん自分で掘り下げてほしい。

      私の授業では、君たちがそのヒントを見つけてくれればいい…
      だから、このプリントには正解を書いてほしいとは思っていないんです。

      自分がその時、ほんとうに思ったことや言葉を残していけばいい。
      そうやって自分で見つけたことは、君たちの一生の財産になります。


僕の能力では、ここまでが紹介できる限界(苦笑)

ぜひ、親御さんや教育に関係する方々はもちろん、色々な人に読んでいただけたら…
 
皆さんも何か、気づくことを発見できること請け合いです(ペコリ)
by mitsuketai | 2011-01-15 21:46 | おススメ本