マニュアルと職人技

こだわりの加工食品を作るのは至難の業です。

今、あるお客様とある製造メーカーをつなげる活動もしています。

私にとっても双方はじめてのご縁ですので少々緊張、いや大いに緊張かな(苦笑)

ご依頼されるお客様も最近では珍しいくらいの紳士的なご対応でお願いされるのでより緊張…
 
添加物を使わず、シェフの味わいを加工食品にするという課題。

レシピもあり、食材も配合も分かっていながら、なかなか難しいのです。

サンプルはうまくできても本製品にするのがなかなか至難の業。

山登りに例えると、9合目から10合目にかかる時間と労力は
1合目から9合目までの分の2倍~5倍かかります。

最後の最後、こだわりの部分をピタリ、いや80点の合格ラインまで
もっていく部分が非常に難しいのです。

その間、やり直し、廃棄の連続、途中気の遠くなることも…
 
当然、廃棄するモノにも原材料費や光熱費、人件費がかかっています。

本気でTTPに対抗するため、農産物や農産加工品を輸出促進すると
政府が考えるならば、こうしたお金にもならない部分に対する
生産者支援対策を本気で考えていただかないと意味がありません。

ラインに流すための、ある程度の量になってくると、それまでの
テーブルテストでは考えられないこと、推論して解答を導くまでの
時間と精神的負担は計り知れないものがあります。
 
これはモノづくりに悩んだ方でないとご理解いただけませんが、
真面目に考えると、食事を食べていても、風呂に入っていても、
便所に入っていても、寝ていても頭の中であれこれ考えます(苦笑)

はっと思いついたら、夜中でもパソコンに向かって関連情報を
検索したり、メモや計算をしたり…
 
今回、はじめてご縁をいただいた製造メーカーの社長さんも
まさに今、述べてきたことを真摯に実践されています。

頭のさがる思いと感謝の心ですね!

調合して加熱する工程は当然マニュアル化されていますが、
実際には食材の個性、保管温度、外気温や気象、
製造装置のちょっとした特性などで日々微妙な調整が必要に…

365日、365通りあると申し上げても過言がないくらい!

その微妙な調整には、ちょっとした違いが分かる気づきのセンスが不可欠。
 
現場で作業を見ていて、ここだ!とひらめく能力。
 
これができるためには、それまでに相当の失敗から学んだエッセンスを
自分の身体や目、頭、耳、鼻、舌から感じる五感を日々鍛えておかないと
なかなか誰にでもできるものではありません。
 
測定数値も確かに品質管理では重要ですが、数値では表現できない部分もあります。

その数値で表現できない部分が実は“こだわり”の部分なのです。

だからこそ、最後のこだわりを生かす職人技ができるのはその人の真摯さに負う部分が大きいのです。
 
よく企業は人なりと申し上げますが、モノづくり=人たるゆえんはここにあります(ペコリ)
by mitsuketai | 2011-02-16 20:51 | 偉大なる人々