ヒラメの目をタイの目にすることはできない…移転、復興には東北人気質を考えて

ヒラメの目をタイの目にすることはできない!

これは関東大震災後の帝都復興院総裁や台湾総督府民政長官を
歴任し、復興後の東京の都市計画や台湾のインフラを整備したことでも
有名な後藤新平の言葉。

台湾の施政にあたっては次のようなことも基本に据えたのが以下のこと。

社会の習慣や制度は、生物と同様で相応の理由と必要性から発生したものであり、
無理に変更すれば当然大きな反発を招く。よって現地を知悉し、
状況に合わせた施政をおこなっていくべきである。


今回の震災で一時的にせよ、長期的にせよ、慣れ親しんだ地域から
安全な地域の避難や移住は避けることができないのも事実。

ところが、受け入れ地域を確保できたとしても、一番大事な
被災した方々の気持ちを無視できないこと!

冬の厳しい寒さに耐えて生活している東北人の気質が
今回の避難生活にも耐えておられる側面も強い。

本来ならばSOSを発信してもおかしくない状況でも
我慢する気質のため、未然に助けることもできないかもしれない。

こんな時こそ、民俗学や社会心理学の精鋭を集めて
東北人の気質と被災者の心理ケアを踏まえた移転プランを
考えることも物理的な復興計画とあわせて実行すべきではなかろうか…

地域が変われば風習や食文化なども変わる。

昔より往来が盛んになって東西南北の融合が進んでいるとはいえ、
生まれてから外に出たことのない方も多くいらっしゃるはず。

移転についての不安心理もあり、また生まれ育った地域への
愛着も捨てきれないし、生活基盤である田畑や家畜を
捨てきれない思いも強いはず…

安心・安全より危険があってもいいから地元に残ることを選択する人もいるはず。

物理的施設や物資、資金を確保できても心の部分、気質の部分を
理解することなく進めると、かえって悲劇になるかもしれない。

こんな時こそ、民俗学や心理学、生活科学といった学問の
集積した知恵を生かすべきではなかろうか…

集団移転や一時避難に魂を入れる意味でも
被災地域の方々の気質や被災者の気持ちを
できる限り斟酌できることができないだろうか…

受け入れる側も受け入れる側もお互いの気質を
理解できればその分スムーズに進めることができる。

物理的な側面が優先されるのは無理からぬところもあるが、
気質や心理的な側面を考えることも一考の価値があるのでは…(ペコリ)
by mitsuketai | 2011-03-27 19:38 | 社会問題