缶詰の食べ頃

生鮮食品は賞味期限、いや消費期限は短い!

一般的には日付が新しいほどいいと思われているところがある!

まさに、命短し恋せよ乙女といったところなのか…

そうは言っても、牛肉などはいわゆる屠畜(とちく) 直後は死後硬直のため硬く、
熟成による解硬プロセスを経ないと食べることができないし、鯛の刺身も〆た後、
一定の熟成期間を経た方が美味しいこともある。

さつまいもも掘りたてが美味しいように思われるかもしれないが、一定の期間
熟成させた方が美味しいし、みかんなどの柑橘類も採れたては酸っぱくて、
一定期間貯蔵させて酸味を抜いて、糖度と酸味のバランスが整ってこそ
美味しいのである。

ところが加工食品については賞味期限がとやかく厳しく要求される。

流通現場では賞味期限が残り3分の2を切ると半値八掛け2割引きの世界…

そこで読者の皆さんに質問をしたいのが、缶詰の食べ頃はいつ?

缶詰は、製造してから少なくとも半年以上たっているものが味がなじんで美味しいのである。

ツナなど、油漬の缶詰は油がしみ込むまでに1年くらいかかるし、フルーツ缶詰のシロップ漬けは
浸透圧の関係でフルーツの果汁がいったんシロップに溶け込み、それが果実に復原されるにも
半年くらいかかり、製造日から1年経過したくらいのものがおいしい。

案外、このポイントは消費者にはまだまだ知られていないところである。

日付の新しすぎる商品は美味しさの観点では日付とは正比例しないのである。

缶詰の大きな特徴は、製造してから常温でおよそ3年間の長期にわたり保存できること!

しかも賞味期限の示す日付は、その日付までは「おいしく食べられる」ことをメーカーが保証していること。

日本缶詰協会のサイトにおけるQ&Aにも以下のような記載がある…以下抜粋

缶詰は賞味期限の日付が経過したからといってすぐに食べられなくなってしまうことはありません。

缶詰は密封の後、その主要な製造工程である加熱殺菌により
食品の腐敗の原因となる微生物を殺滅しています。

このため保管中に新たな微生物が侵入しないかぎり、賞味期限の経過後についても
開封しなければ5年、10年、それ以上、中身が腐ることなく長期間保存できます。

ただし、「おいしさ」という点を考えた場合、これを保証する賞味期限からの経過期間が
長くなるほど期待は薄くなりますが、上記の理由により賞味期限を過ぎた後も
食品としての安全性や衛生面については問題ありません。


ところが製造日から1年経過したものが十把一絡げのごとく、
賞味期限が残り3分の2を切ると半値八掛け2割引きの世界

そして最後は廃棄処分の憂き目に…まことにもったいないことである。

この点は缶詰の特性をもっとご理解いただいて、もっと柔軟に対応してほしいし、
缶は儲からない衰退の一途と嘆いておられる製缶メーカーにはもっと缶詰の良さを
PRしてほしいものである。

缶詰はご存じのように保存性の良さから軍用食として活用され、
災害対策用の備蓄食品としても有効である。

ところがゴミの問題、イージーオープン缶はあるものの缶切りが必要なものが扱いにくさの観点から
敬遠されていて、ペットボトルやパック詰め商品が幅を利かせているが保存性では缶詰に分がある。

過酷な太平洋戦争の戦場においても海軍や陸軍の牛肉の大和煮の缶詰はびくともしなかったという。

先日の宇治市の水害現場でも配った救援物資のおにぎりで食中毒が起こった。

災害時にこそ、保存性の高い缶詰がもっと見直されてもいいのではなかろうか?

ありとあらゆる点で缶詰に対する認識、啓蒙がもっとなされるべきであると思っている(ペコリ)
by mitsuketai | 2012-08-25 18:22 | サイエンス