日本は悪くない!

日本は悪くない!悪いのはアメリカだ
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これは池田勇人首相のブレーンで所得倍増論を編み出した
エコノミスト 下村治氏の晩年の著書。

お名前は拝聴していたが、最近、多くの方が著書の中で
下村治氏を取り上げておられているので気になっていました。

読売新聞社の主筆 渡邊恒雄さんの著書、反ポピュリズム論にも
下村治氏に対するくだりがある。ナベツネさんが絶賛しておられる。
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以下、抜粋させていただくと…

(中略)…自分の売名には関心がなく、池田さんに高度成長をやらせることに
      情熱をかけた人だった。

(中略)…私が下村さんを高く評価するのは、日本経済が安定成長の局面に移ってから、
      彼は自身のケインズ的所得論を引っ込めて、インフレーションを防ぐためには
      むしろ緊縮財政が必要だと主張したことだ。

      学者は往々にして自説に拘泥して自縄自縛に陥りがちだが、下村さんは違った。
      現実に即して経済を見ようとする姿勢を常に持ち合わせていた。


まあ、昔は政治家でも三木武吉のような自分の売名には目もくれず、ひたすら国家、国民のために
働かれて方がいらっしゃったことには隔世の感を覚えてしまう(苦笑)

それはさておき、下村氏が一貫して主張されているのは『経済の健全性』である。

人も国も借金と浪費に依存し、砂上の楼閣を築くような経済運営をせず、
身の丈にあった健全な生活を目指すこと。

人口が減少し、資源に限界があり、環境問題が課題の日本にあって、
数字を追いかける経済運営を戒め、縮小均衡し、ゼロ成長に対応すること。

勤労に励み、モノづくりに精励し、働いて得たお金を貯蓄に回す価値観こそが
日本人の日本人たるアイデンティティであり、その精神と価値観を世界に伝えるべきである。

これらのことを今から20年以上も前に提言されておられた慧眼には思わず感服してしまう。

世の中混迷の今だからこそ、ぜひとも読んでいただきたいという思いで今回ご紹介した次第。

下村氏は国民経済についてはこう説明されている。

国民経済とは、一億二千万人がどうやって雇用を確保し、所得水準を上げ、生活の安定を享受すること。

日本には日本なりの事情、諸外国にはそれぞれの事情があり、各国がまずは自国の経済を確立し、
その上で利益をお互いに増進させる形で行われるのが世界経済のあるべき姿ではなかろうか?

TPPのようにアメリカが主導しているルールが世界的なルールになり得るだろうか?

いじめ問題のいじめる側の論理にどうも酷似しているように思えてならない。

アメリカはもはや製造業の分野では覇権を失っている代わりにドル紙幣を印刷しまくってバラまき、
借金して買った不動産を担保にさらにカネを貸してせっせと架空の浪費ともいうべき需要を想像し、
その製品を中国から輸入して見せかけのごとくドルを基軸通貨としての体裁を整えながら、
まるで自転車操業のように世界経済の覇権を握っているかのようなふるまいである。

その辻褄を合わせるためのアメリカ自作自演の一芝居にいつの間にか利用されようとしているのが
TPPという仕組みではなかろうか?

そもそもサブライムローンに端を発した欧州経済の不安もここらあたりが発端のように思える。

中国の暴動も表面上は尖閣諸島の問題に対する反日運動と言いながら、中国の貧富の差が根本である。

中国が安価な労働力を使って輸出していた欧米の需要は先ほどから申し上げているように
蜃気楼みたいなものであり、一部の中国の富裕層が得ている所得も実体のない霞のようなものであり、
それは中国大衆の労働者から搾取しているようなものであり、何もかも空虚と化してしまうのは
時間の問題であろう。

そもそも世界経済は低成長いやセロベース、いや考えようによれば
マイナス成長への局面に向かっているかもしれない。

ところがいったん贅沢な暮らしに慣れてしまうと、セロベースやマイナス成長の話を聞くと
耳障りで仕方がないという空気が生まれる。

中国や東南アジアや新興国はインフラの未整備や人口増加で需要が増大するから、
その成長を取り込んで、少子高齢化の進む成長性のない日本経済のけん引力にすべきだとの主張を
政財界が目先のウケを狙ってこぞって主張している。

天候不順による食糧難、限りある資源エネルギーとは反比例に進展する人口爆発!

そこに架空の消費を膨らませていけば、その風船はいつか爆発するのは目に見えている。

今こそ、あえてゼロ成長をベースにいかにして国民の雇用と生活を守っていくのか?を
真剣に考えるべきではなかろうか?

国民にとって耳が痛く、口に苦い良薬をブレずに、真の国民経済を語り、実行していく器こそ
リーダーの器ではなかろうか?

TPPだの、成長路線だの、世の中胡散くさい似非(えせ)エコノミストが主張している根拠に
対して、下村氏がご存命だったらどのような見識を披歴されるだろうか
…お伺いできることなら聞いてみたい(ペコリ)
by mitsuketai | 2012-09-17 17:20 | 社会問題