2013年 03月 02日
入試英語は英語の勉強のみならず!
実は、来年高校生になる知人のお子さんを難関大学に入学させるべく
センター試験や各大学の入試の分析も含め、時間を見つけては
取り組んでいる。
自分のがんの手術の時もそうだったが、大学受験もいや仕事においても
いかに情報を集め、情報を分析して、対策を講じるかにかかっている。
情報を集め、フィルターを通して情報の取捨選択を行い、
更なる検証を繰り返し、最後は方針を決めて実行し、
さらに検証しながら、時には軌道修正を行い、一歩ずつ
目標に向かってひたすらコツコツやっていくしか方法がない。
自分が高校生の頃はそんなことはまったく考えなかった(苦笑)
だからこそ、がんばっていこうとする若い力には思いを実現してほしく、
自分で分かることがあれば協力を惜しまないつもりでいる。
話は変わるが、以前、こんな話を聞いたことがある。
ある経営トップに上り詰めた方が、高校生の時、難関の東北大学を目指した!
学校の先生は合格はおそらく無理だろうと…
その方は、東北大学の先生方がどんな研究をされているのかを徹底的に調べた…
ある教授はカエルの研究の大家であることが分かった!
そこでその教授の著作などでカエルに関する知識を整理したところ、
当日、ドンピシャリ、生物の問題でカエルに関する問題が大きく出た。
もちろん、結果は合格、その後は東北大学で学生生活を送られ、経営トップへ
まさに初志貫徹のため、情報収集を生かして栄冠を手に…
さてさて、ここから本題に…
難関大学 京都大学の前期入試の英語の英文和訳問題の第一問。
問題と解答はこちらのサイトをクリックしていただければご覧いただけます。
認知心理学者 ジャン・ピアジェの認知発達理論に関する出題。
ジャン・ピアジェはTIME誌が選ぶ20世紀の100人に選ばれている偉人。
今回の出題はピアジェの思考発達段階説の具体的操作期(7才~12才)、
形式的操作期(12才以降)に関する知識があれば大意はつかめる。
とんと英語から遠ざかっているが、読んでいて何だかピアジェのことかなあ?と
思っていたら、ピアジェの名前が文中に出てきて、やはりと…
小問(3)(4)の訳出は発達段階によって同じ量の水でも入れたコップの違いによってどのように認識されるか?
これはピアジェに関する知識があるかどうかですぐ理解できる。
実は、京大で教育心理学を専攻された先生に教育心理学の手ほどきを受け、
一時、推薦状を書くので、畑違いの分野ではあるが、ある大学院の試験を受けてみてはどうか?
家庭の事情などもあり、その時は残念しましたが…(笑)
その先生は若くしてお亡くなりになったが、10回読書法や専門書バラバラ分解法や
本をさかさまに読んでいく方法と同時に、教育心理学の理論としてピアジェの
翻訳本を通して手ほどきの手ほどき(初歩)を受けたことがある。
今でも多少はその頃の記憶が残っている。
確かに、大学入試は文部省の学習指導要領に則って出題される。
一方で大学側は入試を通して、大学が求める人間に入学してほしいのも当然。
京都大学の心理学教室にはピアジェの認知発達理論を研究してきた系譜もある。
英語の試験は文法や構文の把握は大切だが、他方大意把握も重要である。
何が書いてあるか、チンプンカンプンよりは大意把握できていれば余裕もできる。
実際、大学に進み、専門の洋書を読み解く能力が求められる。
ところがそこまでできる高校生はなかなかいないと思う。
英語だけでなく、歴史や生物、化学や国語の評論文や古典も難関大学であればあるほど、
そこに所属している先生が出題される限り、自分の専攻に関する分野から出題される
可能性が高くなるのも当然のこと。
だからこそ、高校生には学校の教科書で基礎をしっかり学ぶことも大切にしてほしいが、
目指すべき分野については新書やブルーバックスからでもいいので何回も読んで、
さらにそこから専門書まで少しでもトライしてもらえれば違うはず!
それが幅広い教養にもなるし、アカデミックな考え方もできるようになる。
それは早ければ早いに越したことはないと思う今日この頃である(ペコリ)