2007年 02月 25日
キャベツの廃棄に思うこと!
一見、供給過剰のように見えても、暖冬で早く出来すぎているだけで、
そのうち、寒の戻りや気候のちょっとした変動があると、一瞬にして
供給が少なくなる可能性があります。
もったいない!という考えも確かにありますが、運送経費や保管費用を
支出してまで出荷すると、価格が暴落し、赤字の上に赤字を塗り重ねる
ことになります。
キャベツなど消費量の多い14品目については、指定野菜といって
毎年作付けしてくれる産地を国が指定し、安定供給を図るとともに、
価格が暴落して、出荷すると赤字になる場合には調整金が支払われる
仕組みがあります。
生産者のモチベーションを維持することで、安定した食料の供給を
維持する観点からは必要性が高いかもしれません。
それより怖いのが、キャベツには連作障害があること!
有名な産地、嬬恋村のようにキャベツだけを単作しているところでは
連作障害で、一時期玉太りが小さくなり、影響が出たこともあります。
何事にも山と谷があるように、野菜を廃棄するという現象の後には、
不作となって、価格が高騰する場合もあります。
単作だけの場合、効率もよく、儲かる度合いも大きいのですが、
打撃を受けた場合は全滅します。
リスクを分散するためにも、農業で言えば昆作等による栽培作物の
多様化が必要となります。
ビジネスでも言えることですが、儲かっている部門が後に衰退し、
それまで不振だった部門が活況を呈し、企業を救うこともあります。
まったく将来性のない部門をリストラすることは意味がありますが、
儲かっている部門だけに特化して、一時だけ業績が上がったと見る
今の日本の景気には少し危険なにおいを感じます。
大事なのは、将来に向けての持続的発展であり、その意味では
植物の世界における多様性や棲み分けには学ぶことが多いと思います。