2008年 09月 27日
勘どころをつかむ。
何でもかんでも分析数値に頼ろうとする傾向が強くなっています。
きちんと数値でとらえた方が科学的だから…たぶんそんな理由からだと思います。
確かにヤマ感とか“なんとなく”だけでは判断を誤まることもあり、
実際に数値で計測してみると“思ったほどでもなかった”という場合も…
しかしながら、数値さえ分析すれば万能か!と言えば実際は違います。
食品の世界にたとえれば、数値分析と並んで大事なのが官能検査。
●まずは匂いを嗅いだり、色調を見て、その異常に気づく!
●手でさわってみたり、かき混ぜてみたり、箸で崩してみたりして状態を確かめる。
●実際に試飲・試食して舌=ベロメーターで数値に表れない微妙な差を見極める。
コーヒーや紅茶の世界ではテイスターと呼ばれる味の鑑定人が
節制した生活を送りながら、日々数値に表れない微妙な違いを五感でチェック!
そして少しでも差異があれば、徹底して原因を突き止めていく。
昔のお医者さんは聴診器1本で異常を発見し、経験に裏打ちされた
勘どころからさらに必要な精密検査を行って、原因を突き止め、処置を行う。
ところが最近は聴診器より各種の検査機器による数値を重用する。
まずはありとあらゆる検査をして、その上でも判断できないことも多いと聞く。
まあ、聴診器がホコリをかぶっているお医者さんなんて聞いたことはありませんが…(苦笑)
異常なことだらけの世の中で、自分の身を守ろうとすると、退化してしまった
この勘どころを鍛えて、救いを求めることが大事だと思います。
何より、五感を鍛えて、自分の尺度で選択できる眼力を持つことが大切!
食品の味の面でも、はっきりした味や派手な味はいわば添加物という
もので飾られた味で、そのものの味の本質が分からないこともあります。
人間でも派手なアドバルーンをあげたり、安物のそば屋のエビ天みたいに
自分のみせかけを大きく見せているところは勘どころで見破らないと…
まあ、派手なものや耳に聞こえのいい言葉はまずは検証してみることでしょうね…
そういった意味においても“勘どころ”って大事だなあと思います(ペコリ)