2012年 07月 10日 ( 1 )

発酵仮面とはかの有名な発酵学者の小泉武夫先生のことである。
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さすが食のプロであり、発酵学の権威でもあり、無類の食通でありながら、
決してぜいたくなグルメ道ではなく、いたって庶民的できさくなところが大好きである。

その小泉武夫先生が日本経済新聞夕刊に連載されているコラムがある。

タイトルは『食あれば楽あり』
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今日の記事は夏の鶏鍋とある。

徳島の知り合いの生産者から送ってもらう阿波地鶏のうんちくから鍋に入れる具材、
細かく表現された具材の下ごしらえからポン酢醤油はたまた薬味に至るまでの
過程が今にも目にも浮かぶようなテンポでタッチが進む筆力というか表現力。

そしていよいよ始まる、実況風の食べる表現!

今回もビュビュー、ハフハフ、ホフリ、ホックリ、トロリ、マットリ、トロトロ、ジュルジュルという擬音語を
駆使しつつ、五感をあまねく使った味の表現に、さりげなく学者らしい、それでもって庶民にも
分かりやすい食の科学的表現が盛り込まれていて、あっという間に読み終わってしまう。

実に美味しさが伝わってきて、目の前にあればかぶりつきたいと思わせる迫力である。

今、食の世界でもインターネットや媒体を使って、差別化を訴える必要性は高まっている。

ところがその表現が実に難しいのもこれまた事実である。

小泉先生の文章を拝見していて、食品科学に裏打ちされた引き出しの多さ、実際に自分が
食べておいしいという表現を素直に、ストレートに表現できる感性の素晴らしさにいつもながら敬服。

どうしたら、こんな食の表現者になることができるのだろうか…

やはり、日々体験、日々感動、日々勉強に尽きるような気がしてならないのである。
by mitsuketai | 2012-07-10 20:58 | 偉大なる人々